宝物後編2







宝物 後編 2  







「映司コアメダルが欲しいのか?」

って直接過ぎた〜〜!!何やってんだよ。
これじゃあコアメダルだった場合、答えを誤魔化されるじゃないか!!!

「なんで今ここでコアメダル?別にアンクが戦闘中に渡してくれるからいらないよ?!」

それにしても、戦いの場において、必ず俺がついてるみたいで嬉しいじゃね〜か!
実際ついてるけどさ・・・。

こんなに優しくて、正直者は他にいないし、きっと軽い条件だろうから
呑んでやろうじゃないか?!
しかも正直、映司の上着がもらえるなら軽くても、重くても呑んでやるよ!!




「いいぜ。条件をのんでやるぜ。」

「絶対嘘はつかないね?約束だからね?」



なんかやな予感がするが・・・・



「男と男の約束は破らね〜よ。」

「絶対の絶対の絶対だからね?」

「映司、お前もしつこいな!男は一度決めたら、覆さないんだよ!!」

「そうだよね。わかった!」

「で、条件は何だ?」




「何で俺がこんな格好させられなくちゃいけないんだ!!!」
「ってか見てんじゃねー!!」
「着替えてくる!」

「俺のその上着・・・」

「う・・・・」



どんな格好させられたかというと、映司が今まで着ていた上着1枚という格好だ。
恥ずかしくて死にそうだ。

映司の方が背が高いし、体格もいい。だから俺にはブカブカだと思って
条件を出したらしい。

なぜ俺だ?

俺ならわかる。カッコいい服着せて写真会なんてのもありかなと思う。
なぜなんだ?しかもこの格好。



「似合うね?その格好。」

「ふざけるにもたいがいにしろ!!」




と、どんなに不平不満、怒りを並べ立てても、この上着から香る映司自身の香りが
してかなり幸せな気分になってしまっている。
こんな格好さえしてなければもっと別だが・・・。


「アンク〜こっちへおいで?」

「いやだ!!断る!」

「そんな荒い言葉遣いもそそられるだけだけどね。」

「ねっ?アンク?」




スタスタスタスタッ。


ギュッ!!




「〜〜〜〜〜〜〜〜」

俺的には嬉しいことだが、突然のことに頭がついていかない。
どうゆう風の吹き回しだ?!俺1人の片想いじゃなかったのか?
両想い?まさか!俺で遊んでるだけだ。

ちくしょ〜くやし涙がでてきそうだ。

好きでもなんでもないだろうにこんなことされて・・・。

でも抱きつかれて、幸せなんて思ってしまうおれはどうかしてる。



ポンポンポン。



背中を優しく叩かれた。

涙が出る。やばいよ・・・。

気を取り直せ!大丈夫、大丈夫。


「どういう風の吹き回しだ!!こんな格好させて、ハグまでするなんて!!」
「どうせ罰ゲームか何かだろう!分かってんだかんな!!」


映司の胸を押して離れ、屋根裏部屋へ戻って行った。
屋根裏部屋までついてゆき、
「アンク、罰ゲームでもなんでもないよ。俺の意思だからね。」






映司曰く
“世の人はわれをなにとも、ゆはばいへ わがなすことは われのみぞしる”
(世間の人が俺のことを言うなら何とでも言ってくれ。
   俺のすることは俺だけが知っているのだから・・・。)